労災相談

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解決事例

ケース 1

マンション改修工事現場の3階部分の高さ(地上約5.8m)に相当する足場上で足場の解体作業に従事していた作業員Aさんが、他の従業員の作業手順の誤りによって突如足場が倒壊したことにより、地上に落下をし、全治約6か月を要する腰椎捻挫、仙骨部骨折等の傷害を負い、等級12級の後遺障害(骨折部の周囲組織が瘢痕性のものとなって疼痛が残存)を負った事件

解決内容

会社側が事故と後遺障害との因果関係を争ったため、控訴審で和解解決に至るまで時間を要したが、労災保険給付以外に600万円の賠償を得ることで最終的に和解解決に至った。


ケース 2

食品加工工場で、トレーに入った食品を包装する生産ラインに配置され、包装機械のオペレート業務に従事していた派遣社員Bさんが、ロール状の包材の交換が必要になったため、新しいロールを抱えて作業台に上がり、機械にセットした後、両面テープ様になっている包装紙の先端部を引っ張ってゴムローラー間の隙間に通そうとした際、誤って回転しているローラーに手指を先端から巻き込まれ、掌部分まで挟まれるという事故に被災し、手指の拘縮に伴う屈曲時の疼痛や手背部瘢痕など等級12級の後遺障害を負った事件

解決内容

会社側は回転しているロールに手を挟んだのは自過失であると大幅な過失相殺を主張したが、包装機械メーカーの業界団体が作る安全ガイドラインでは、包装フィルム等の供給、送り等の調整を行う際は、安全ガードを閉めて機械にこれを場合行わせるか、あるいは“寸動運転”や人力により動作をさせて行わせることとされているところ、会社が作業効率を優先し、ラインを動かしたままロールの交換をさせていたことなどを指摘し、ほぼ請求通りの賠償を和解で勝ち取ることができた。


ケース 3

建築現場で作業中の三次下請けの従業員Cさんが、鉄骨柱を固定するために、金具の打ち込み作業を行っていたところ、金具の破片が飛び、傍らにいた他の従業員Dさんの左目に入り、従業員Dさんが左目眼球破裂、残留の傷害を負い、等級8級の後遺障害を負った事件

解決内容

孫請けにもCさんにも資力がなく支払が危ぶまれ、また、安全配慮義務違反の構成や、過失相殺など多数の難しい争点が予想されたが、元請け、下請、孫請けの三者を相手に交渉を行ったところ、労災保険給付以外にも、1800万円の賠償を得ることで、訴訟に至らず弁護士間の話し合いで解決に至った。 被害者である当方の当事者は、早期の解決を希望していたため、非常に喜ばれた。


ケース 4

鉄筋足場組立解体工事に従事していた労働者Eさんが工事現場において、工場建設のため枠組み足場(高さ8.5メートル)を組み立て中、足場の作業床に上がって作業をしていたところ、会社は足場の転倒防止を図るなどの適切な安全措置を講ずる義務があるのに、それを怠ったために、その足場が転倒し、Eさんは地面に墜落し、右大腿骨転子間骨折等の重傷、等級8級の後遺障害を負った事件

解決内容

会社側は、足場転倒について、会社の責任はなく、Eさんが枠組み足場を架設する際、足場が転倒しないよう十分配慮する必要があるのに、Eさんがそれをしなかったことに原因があるなどと主張して、全面的に争ってきた。訴訟において、関係者の証人尋問を行い、会社の責任を追及したところ、最終段階で、、、和解が成立し、労災保険給付以外に、1300万円の賠償を得て解決した。


ケース 5

グループ長として長時間勤務にさらされた労働者Fさんが脳出血を発症し、後遺障害等級2級の後遺障害を負った事件

解決内容

会社からは事前に労災保険給付以外に一定の金額を支払う旨の提案がなされていたが、金額の妥当性について疑問を抱いたFさんより依頼を受けることになった。会社に対し、安全配慮義務違反を理由として損害賠償請求を行い、主に労働能力喪失率、将来介護費等が争点となった。交渉の結果、労災保険給付以外に、当初、会社側から提案されていた賠償額の5倍以上の賠償を得て解決した。


ケース 6

運送会社に勤務していたGさんが、自転車で会社に通勤する途中、自動車にはねられて入院・通院するという交通事故にあい傷害を負った事件

解決内容

Gさんが、労災申請をしたところ、労基署は、①通常の出勤時間より遅く自宅を出ていたこと、②普段はバイク通勤なのに事故当日は自転車を使用していたことなどの理由で、「住居と就業場所との間の往復とは認められず、通勤途上外」であるとして、労災を不支給とする決定を出した。 Gさんから依頼を受け、不支給決定に対する不服申立て(審査請求)をし、タイムレコーダーの再チェック、出退勤時間管理の実態、通常より遅く自宅を出た理由、通勤手段に関する調査の杜撰さ、などを指摘して争った結果、「不支給決定を取り消す」という逆転の決定を勝ちとり、1000万円近い休業補償などの給付を受けることができた。


ケース 7

製粉工場での高所作業のため、フォークリフトを利用していた従業員が、フォークリフトのマストと運転席の間に身体を挟まれ、死亡した事件

解決内容

労災保険給付のほか、会社に対し、安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求したが、交渉は決裂し、訴訟を提起した。訴訟では、安全配慮義務違反の有無、過失相殺等が争点となり、判決により、過失相殺はされたものの、被災者遺族の請求が認められた。

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